わかりやすく効能効果を示すよう定めている法律・薬事法について知りたい!

医薬品やスキンケア用品の効能効果は、薬事法のガイドラインに従って表示することが義務付けられています。ここでは、日常生活で手に取る機会が多いものを安心して購入する上で役立つ薬事法関連の情報をお伝えしましょう。

薬機法のガイドラインの内容に関する知識を深めることは、美容や健康に気遣う生活を送る上でプラスになるはずです。

→薬機法(旧薬事法)に則った「夏バテ」の表現について解説

薬機法の正式名称は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で、略称は医薬品医療機器等法です。

平成25年11月26日に薬機法が制定される以前は、薬事法と呼ばれていました。薬機法の規制対象となる商品は、利用者の健康に影響を与えるものであり、人々が安心・安全に使えるように細かな規定が定められています。

製造段階から表示、販売、流通、広告に至るまで、幅広く規制されています。

薬機法の対象となるものとしては、医薬品、医薬部外品、医療機器、再生医療製品、化粧品が挙げられます。

薬機法については、普段はあまり意識することがないかもしれませんが、私たちの生活にとって身近な法律のひとつと言えるでしょう。詳細-薬事法ドットコム ... 薬事法ドットコム

薬機法第2条には、医薬品の定義が記されています。第2条によると、医薬品とは、日本薬局方に収められている物、人又は動物の疾病の診断・治療又は予防に使用されることが目的とされている物を指します。医薬部外品は、吐きけその他の不快感や口臭・体臭を防止するといった目的や、あせも・ただれ等の防止をする目的で作られていて、人体に対する作用が比較的緩和な物を指します。

脱毛の防止目的、育毛又は除毛目的で作られている物も含まれます。化粧品の定義についてもわかりやすく記されています。薬機法の定義によると、化粧品とは、身体を清潔にしたり、美化したり、魅力を増したり、容貌を変えたりするため、または皮膚や毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦・散布する方法やその他これらに類似する方法で使用されるもので、人体に対する作用が緩和なものです。

魅力を増す、容貌を変えるといった表現も用いられているところが、なかなか興味深いですよね。

サプリメントや健康食品は、食品の扱いとなるため、薬機法の範囲内には含まれていません。しかし、サプリメントや健康食品に関して、あたかも医薬品であるかのように広告宣伝することは厳しく規制されます。便秘を改善する、花粉症が治るといった効能を表記するのは、薬機法違反にあたります。

国内で生産・販売することを目的とする商品だけでなく、海外から輸入された外国語で表示された商品についても同様に取り扱われます。誇大広告に騙されたりすることがないよう、どんな表現が医薬品的な効能効果に該当するかを知っておくといいですよ。

「鼻炎を治療する」「高血圧を改善」「生活習慣病を予防する」といった病気の治療又は予防を目的とする表現は、医薬品的な効能効果に該当するとされます。また、体の機能の一般的増強、増進を目的とする表現も医薬品的な効能効果に当てはまります。

疲労回復、老化防止、体力回復、細胞の活性化といった表現がその例です。サプリメントや健康食品を購入する際は、薬機法の表現と照らし合わせると共に、食品表示法や食品衛生法の視点からもチェックして、食品として適切な表示がされているかを確認する習慣をつけることが大事です。

薬機法の対象となる化粧品は幅広く、ヘアケア用品もその対象となります。シャンプー、リンス、トリートメントといった老若男女を問わず使用する商品や、ヘアトニックなどの整髪料が含まれます。薬機法で定められている化粧品で標ぼう可能な56個の効能効果は、部位別にわかりやすく示されています。

頭皮・毛髪についての表示項目は16項目です。頭皮・毛髪を清浄にする、香りにより毛髪・頭皮の不快臭を抑える、頭皮・毛髪をすこやかに保つといった項目は、洗浄効果の高いシャンプーやリンスを選びたいという人にとって、安心して使える商品を選ぶ目安となる効能効果と言えるでしょう。

髪のコシやツヤをアップできるワンランク上のヘアケア用品を選びたい人向けの効能効果も記されています。毛髪にはり・こしを与える、毛髪をしなやかにするといった表現に加えて、クシどおりをよくするという効能効果もあり、より細かくわかりやすく商品の効能効果を表示できるようガイドラインが作られています。

美髪づくりに欠かせない髪のつやに関しては、毛髪のつやを保つ、毛髪につやを与えると2つの効能効果が標ぼう可能とされています。

薬機法のガイドラインにおいて、化粧品で標榜可能とされている効能効果のうち、皮膚についての効能効果は20以上にものぼります。基礎化粧品からメイクアップ用品まで、お肌と向き合うために使用する幅広いスキンケア用品が安心・安全に使えるものとなるよう、わかりやすく効能効果が定められています。

皮膚についての効能効果のうち、最初に記されているのは「(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする」という効能効果で、次に記されているのが「(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)」という効能効果です。

この2つは、美容目的ではなく、清潔さを保つためにスキンケア用品を使用する人にとっても重要な効能効果と言えるでしょう。

皮膚をすこやかに保つ、肌荒れを防ぐといったより健康的な肌を守りたいという人が商品選びをする際に役立つ効能も記されています。肌を和らげる、肌にはりを与える、肌にツヤを与える、肌を滑らかにする、といったスキンケア用品による肌質の改善を目指す人に訴えかけてくる項目もあります。

従来のスキンケア用品では効果を実感できず、新しいスキンケア用品に切り替えようと検討している場合には、こういった効能効果に注目して、商品を選ぶとよいでしょう。乾燥肌に悩んでいる人の場合は、皮膚にうるおいを与える、皮膚の水分・油分を補い保つ、皮膚の乾燥を防ぐといった効能効果があるスキンケア用品がおすすめです。

薬機法は、医薬品や医薬部外品、化粧品といった私たちの生活と密接な関係がある商品の表示や広告について定めた法律です。薬機法に対する知識を深めておくと、身近な商品をより適切に選べるようになります。薬機法のガイドラインに従ってわかりやすく効能効果を示した医薬品やスキンケア用品を選び、健康的で生き生きとした暮らしをしてください。